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飛行機関連

4発エンジンの飛行機と2発エンジンの飛行機の安全性の違いは・・・?

4発エンジンの飛行機と2発エンジンの飛行機の安全性の違いは・・・と聞かれれば当然エンジンの多いほうが安全性があると思うのは誰しもが思う事です。
それはパイロットしても同じ考えです。
それではパイロットとしてどのくらい安全性の違いを感じているのでしょう。

私はB747(ジャンボ・・・4発エンジン)からB777(トリプルセブン・・・2発エンジン)に移行した事があります。

B777自体は半分コンピューターが操縦を補佐しているような飛行機ですのでそれまで飛んでいたB747-400 から比べると操縦のし易さや安全性は格段のものがありました。

確かにハード面では安全性は上がりましたが、運航面では4発エンジンにはない厳しさを求められました。
先ずエンジンが一つ故障すると、即、緊急事態(エマージェンシー)になる事が上げられます。
この場合すぐに最寄りの飛行場に緊急着陸をしなければなりません。
あと一つしかエンジンがないので当然です。
ですので常時自分が飛んでいる近くの飛行場の天候は確認しながら飛んでいました。

4発エンジンはどうかと言うと1発故障しても一応、異常状態(アブノーマル)ではありますが、緊急事態は宣言しません。
離陸したばかりだと出発飛行場に戻るのが原則ですが、目的地によってはそのまま飛行を続ける判断も成り立ちます。
事実、ヨーロッパから出発した外国のエアラインのB747が離陸時エンジンが故障したにもかかわらず、そのまま3エンジンでシベリアを超えて日本に運航した事実もあります。(これは極端な例で、日本の航空会社だと先ず戻る判断をすると思います。)

気持ちの余裕が違うのです。

また2発エンジンで太平洋を渡る場合は自身の飛行機から3時間(180分)以内に到達できる範囲に緊急着陸飛行場を確保しなければなりません。(この様な飛行場をEnroute Alternate Airport・・・巡航時の代替飛行j場)と呼びます。
これはETOPS( Extended-range Twin-engine Operational Performance Standards)と言う制度でです。
昔は60分や120分でしたが、飛行機のエンジンの安全性がますにつれ範囲は大きくなりました。
これは海に限らずシベリアの上空でも求められましたが、冬場などは天候が悪く適切なEnroute Alternate Airportが取れずルート変更が余儀なくされると言う事もあります。

ですので飛行中は常時近くの飛行場の天候を確認しながら多少の緊張感を持って飛行していました。

これに比べて4発エンジンはどうかと言うと上記の事はあまり考えません。
2発エンジン出身の方は近くの飛行場の天気こまめにを調べたりもしますが、最初から4エンジンを飛んでいる人はほとんど気にしていなかったと言うのが現状です。
1発故障してもまだ3つある安心感はパイロットして最高のものです。

外国に行く場合は別として国内の飛行機は全部2発エンジンになってしまいまた。
これは単純に4エンジンに比べてコストパーフォーマンが高いからです。
一つのエンジンのパワーも昔のB747のエンジンよりもパワーがまし、それにつれて燃料効率も非常にによくなっていますので2エンジンで飛行したほうがずっとCPはやすくなりました。
また最近の飛行機のダウンサイジング(大きい者から小さい物へ)の流れも影響をしています。

私はB777からB747-400に戻った時にはB777より多少の飛び辛さはありましたが、何かほっとしたものを感じたものです。

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