自転車や自動車がパンクするように、飛行機のタイヤも時々パンクします。
飛行機のタイヤのパンクなんてあまり聞かないですよね。
私は2度あります。
40数年で2度ですのでそれほど頻繁にあるわけではありません。
原因はTaxi中(地上走行中)に金属片等を踏み、タイヤに刺さってパンクするのがほとんどでしょう。
私の場合は一度目はパリの離陸、2度目はサンフランシスコの離陸時です。
パリの時は徐々にタイヤの空気が抜けて行きましたが、サンフランシスコの時は離陸直後、すぐに空気が抜けてしまいました。
離陸時に一気に空気が抜けたようです。
上の写真はサンフランシスコのケースですが、右手前のタイヤがパンクしています。
この状態でも地上走行は可能です。
B747-400の主車輪のタイヤはBody Gear(胴体についている主脚) が左右で片方4個ずつ8個、Wing Gear(翼の下についている主脚)も左右で片方4個ずつ8個、計16個ありますので、1個くらいパンクしても着陸に支障がないのですが、一応着陸するときに管制官に状況を報告しなければなりません。
私の場合、パンクでの着陸はいずれも成田でしたが、万が一のために消防車が待機していました。
着陸の際、パンクしたタイヤが飛散するかもしれませんので、着陸後、空港当局は滑走路を閉鎖して車で調査します。
その間は着陸できませんので空港は閉鎖され、着陸機は上空で待機となりますが、異状なければ直ぐにオープンする事になります。
着陸後、TaxiWay(誘導路)に停止し、整備士の目視点検で「異常がないか」、「そのままTaxi(地上走行)をしてよいか」を確認しOKなようであればそのまま駐機場まで自力走行します。
なぜタイヤがパンクしたことが事前にわかるのかと思った方もいるかもしれません。
実はこの時のに乗務していたB747-400はパンクしてタイヤの圧力(プレッシャー)が下がると「Tire Pressure」と言う警報が操縦席に出ます。
またどのタイヤがパンクしたのかも計器でわかります。
以下の写真がその表示です。(この写真は実際にパンクした時のものではありません)
この表示ではブレーキの温度とタイヤ圧、それとタイヤの格納ドアの状況がわかります。
丸いのがタイヤですが、その外側に211とか表示されていますが、これが圧力(プレッシャー)で単位はPSIです。
この値が規定値以下になると表示がAmber(橙色)に変わります。
真ん中に書いてある数字はブレーキの温度を示しますが、過熱するほど数字が大きくなります。(実際の温度を示しているわけではありません。)
この計器はLower EICASと呼ばれるものですが、他にいろいろな情報を知る事ができますが、またいつか書いてみたいと思います。