Pilotをやっていると「エンジン停まったことありますか?」と同じく良く聞かれる質問の一つです。
未確認飛行物体ともいわれますが、そういう意味では私も何かわからないものを見たことはあります。
でも「えっ、じゃ見たことあるんですか?」と言われても「そうです」とは言えません。
あくまでも何かわからないものだったと言うだけで、良く言われる円盤の形をしていたわけでもないので確信は持てません。
上記の画像に写っているものは何だと思いますか?
良くわからないですね。
良くわからないですが、上記のようなものもUFOと思う人もいるんですね。
昔、ヨーロッパから北極経由でアンカレッジに飛行していたPilotがアラスカ上空でUFOに遭遇したと航空管制官に通報したことがあります。
その時はクラシックジャンボと呼ばれている初期のジャンボ機で航空機関士も乗務していたので操縦席には機長含めて3人いました。
私も詳しく聞いたわけではありませんが、UFOと言っていたのは機長だけで他の二人はそうだとは断言しなかったようでした。
確かに何かがあったのでしょう。
その事件?は新聞沙汰にもなったのですが、結局は機長の思い違いのような結末になり、その機長は精神鑑定までされたと聞いています。
事実、その機長はしばらく乗務を外されていました。
それを聞いて「なんと理不尽な」と思いましたが、会社としてはその機長の言う事を異常だと判断したのでしょう。
何かを見てそれをUFOと思うか思わないかはその人次第、その人の持つ感性次第だと思うのです。
UFOだと思えばUFOだし、違うと言えば違うし、結局他の二人の乗務員はそうだと思わなかっただけだったと思うのです。
車のヘッドライトの光が雲に反射し、それを見た人がどう思うかはその人次第と言う事ですね。
私は非現実的な事や、非科学的な事、たとえば幽霊と言う科学的に解明されていないものは信じる事はできないたちですので、上空で明らかにUFOのような飛行物体でない限りUFOと思う事はないでしょう。
冒頭に私が何かわからないものを見たと書きましたが、その時は我々の飛行高度よりはるか上空を何かきらきら光る結構大きなものが移動しているのを見ました。
結局、何かわからなかったのですが、それを科学的な頭で考えると宇宙ステーションかな?とかバルーンかな?とか思うわけで、感性豊かな人が見るとUFOかなと思うのかなと・・・・。
未だにあれは何だったかは良く分かりません。
(多分、宇宙ステーション?)
でも明らかに正体がわかるものを見たこともあります。
それはラジオゾンデと言うものです。
ゴム製の気球に気象観測装置を付けたものですね
高層の気象状態(風や温度等)を観測するために気象庁が地上から放っています。
地上から放つと後は風任せで多くは偏西風に乗って東に移動し、地上30㎞位まで上昇してバルーンが破裂して観測装置が洋上に落ちて来ます。
移動コースをコントロールしている訳ではないので航空路に入ってくることもあり結構危ないのですが、今まで飛行機と衝突したと言う話は聞いたことがありません。
それだけ空は広いと言う事ですが、しかし私は水平距離にして数百m位だと思いますが、形がラジオゾンデだとわかる距離ですれ違っています。
その時はえっ、と思いました。
ラジオゾンデを飛ばしていることは分かっていましたが、これほど近くで見ると「衝突したらどうするの、あぶないなあ~」と素直に思いました。
小さいものですので衝突しても墜落までには至らないでしょうが、当たり所によっては重大な事故に発展する可能性は否定できないですね。