「英語べらべらでしょう」・・・・Pilotをやっているとよく言われるフレーズです。
結論から言うとネイティブと変わらないべらべらの人もいますし、そうでもない人がもいます。
通常は航空英語を使う。
パイロットが使う英語は通常、航空英語と言って特殊な言葉を使います
ですのでそれさえ覚えてしまえば、平穏なフライトであれば別に日常会話ができなくても何とかなります。
しかし何かトラブルが起きた時とか通常とは違う状況になった時には管制官も航空英語ではなく、ほぼ会話英語で喋ってきます。特に英語がネイティブの国の管制官は顕著です。
また国際線だと乗客に外国人も乗っていますので、英語のアナウンスは必須です。
アナウンスのひな型が用意されているので通常の場合は、それをあんちょこ代わりに読めば済みますが、トラブルが起きると英語で状況を説明しなければなりません。
以上の事から少なくとも日常会話以上の英語ができないと困る場面が出てくることが多いです。
日本で飛ぶ場合は日本語が使える。
日本では飛行機と管制官の間のコミュニケーションは通常英語ですが、日本語でも良いことになっています。
状況が難しくなると良く「日本語で申し上げますと」日本語で言う場合もあります。
飛行機の管制は世界的には英語が標準ですが、自分の国では母国語を使っても良いと言うところがほとんどだと思います。
しかしほとんどの国はコミュニケーションに自国語ではなく英語を使っています。
これは英語を共通言語とすることで世界各国からくるパイロット同士の飛行中の意思疎通を可能にしています。
ただ、中国は自国機に対しては中国語で管制しています。
私たちは他の飛行機のコミュニケーションを聞いて他の飛行機の位置とか高度、状況を把握していますが、中国では中国語が飛び回っていますので他の飛行機がどうなっているのかさっぱりわからず少し不安に感じることが多いです。困ったものです。
航空英語証明と言う資格が必要になった。
十数年前くらいに国際線を飛ぶときには「航空英語証明」と言う資格が必要になりました。
これはどこの国とは言いませんが、英語の日常会話すらできないようなパイロットが国際線を飛んでいる状況が問題視され、設定された資格です。
この資格を初めて取る場合はテープで航空管制を聞いて答えを選ぶ択一式の試験と、それが合格したら一対一の面接の試験の二つを受けなくてはいけません。
面接では日常会話から始まり、1枚の絵と4コマの絵を見せられて(英語が堪能と試験官が判断すると6コマの絵が出て来ます。)その絵の中の状況を英語で説明したり、管制のロールプレイングを行ったりします。
評価は1から6まで6段階有り、4以上で合格です。
ちなみに6はネイティブの英語能力がないともらえません。
ですので母国語が英語の人は全員6ですね。多分・・・。
日本でこの試験が始まった時には不合格になった日本人の国際線パイロットもいました。
ですのでパイロットが誰しも英語がべらべらとは限らないというのが現実です。
まとめ
英語が不得意でも航空英語をマスターし、日常会話程度の英語ができれば日常の航空業務は何とかなります。
しかし日常以外のいろいろなトラブルに対処するためには日常会話以上の英語力が必要になってきます。
昨今の航空会社のパイロット採用試験では必ず英語の能力の確認が行われます。
会社によって違いますがTOEIC基準が700点以上とも言われます。
これからパイロットになりたい人は英語は常に勉強してその能力を高める事が重要になります。