飛行機の操縦は一部手動で行われますが、ほとんどのフライトは自動操縦装置(AutoPilot)によって行われています。
(上の画像はB747-8の操縦席とオートパイロット・・・3系統あります。画像をクリックすると拡大します。)
先ずは通常行われている自動操縦を時間軸で説明いたします。
離陸は手動で行います。(飛行機の運航で唯一手動でしかできないのでが離陸です。ほとんどの飛行機は自動で離陸できる機能はありません。)
離陸した後はどこかの時点で自動操縦に移行するわけですが、これはその時のパイロットの考えや天候によって様々です。
天候が良ければパイロットの判断で10000ft以上まで手動で操縦する事もあります。
しかし天候が悪ければ前方の雲の状況や揺れ等に対処したりと、他に考えなければならない事はたくさんありますので、早めに自動操縦に切り替えてタスクを減らし、飛行機のマネージメントに集中します。
離陸後、自動操縦に移行した後は目的地に近づくまでAutoPilotを外す事はほぼありません。
巡航高度である高高度(巡航高度は飛行機の重さ、飛行距離によって違いますが、大体30000ft(10000m)以上)では操縦がやや難しいのでほぼ自動操縦で行います。
目的地に近づくと降下を開始しますが、ここでもパイロットの考えや天候によって自動操縦から手動操縦に変わるタイミングは変わります。
天候が良ければ10000ftくらいでAutoPilotを外し、自分の技量維持のためにも手動により着陸まで行う事がありますが、最終侵入(Final Approach・・・1500ft前後)で手動操縦に切り替える事もあります。
着陸はAutoPilotで行う事も出来ますが、手動で着陸できる状況であれば大体のPilotは技量維持のために手動で着陸を行う事が多いです。
着陸はPilotにとって一番の見せ場であると同時に自分の技量を維持する機会でもあるし、Pilotとしての醍醐味でもあります。
しかし霧が出たり雲高が低いような天候の時は自動着陸をした方が安全な場合があります。
皆さんは着陸時どこまで自動着陸が認められているのかご存知でしょうか?
なんと視程がゼロでも(何も見えなくても)地上設備と飛行機の性能次第では着陸する事が認められています。
これは0-0 Landing(ゼロゼロ ランディング)と言って視程0(ゼロ)、雲高0(ゼロ)の状態で着陸する事が出来ると言う事です。
残念ながら日本には0-0 Landingができる空港はありませんが、現在飛んでいる旅客機の大部分はその性能を有しています。
また0-0 Landingを実施するにはPilotの訓練が必要ですが、この訓練を実施している航空会社はまだ日本にはありません。
この仕組に関してはまた次の機会に詳しく書いてみたいと思います
昨今のAutoPilotの性能は優秀で着陸も非常にスムースに行います。
移行訓練(型式が違う飛行機から移ってくる時に行う訓練、飛行機は型式が違えばその飛行機のライセンスが必要です。)
の時には一番最初にAuitoPilotがどのように着陸をしているかを訓練生に見せる事もします。
その通り手動でやれば良いわけですが、そこは人間、テクニックを取得するまで一定時間はどうしても掛かってしまいます。
(どのような飛行機から移行してきたか、若しくは経験によってかかる時間は変わりますが・・・)
今日は自動操縦の使用の概要を書きましたが、自動操縦そのものに関してはまたいつか詳しく書いてみたいと思います。
着陸時の自動操縦について続編を投稿しました。
ご興味あればこちらからどうぞ