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飛行機関連

風は飛行機にとって強敵!?

風はパイロットにとって最大の敵です。

飛行機の正面から吹く風はそれほどでもないのですが、横風で突風があるとかなり難しいアプローチになります。

特に成田のRunway16 (滑走路16番、16と言うのは方向を指しており160度の方向へ進入すると言う事です。)は強風が吹くと気流が非常に悪く、かなり難しい、少々汗をかく操縦を強いられます。
春一番や台風時の時はできれば飛びたくないと言うのが本心です。

1. 横風着陸の方法

1.1 クラブ(Crab)方式

「クラブ」方式は、横風着陸で最も一般的な方法の一つです。この方法では、パイロットは飛行機の機首を風上に向けて飛行機を横風に対して「斜め」に向けます。これにより、横風によって飛行機が滑走路から横に流されることを防ぎます。

着陸時には、機体が滑走路に対して斜めになったまま進入し、そのまま接地させます。
接地時、飛行機が横を向いていることにより着陸装置に大きな負荷がかかるために接地直前にRudderを使い機種を滑走路方向に向ける操作をすることもあります。

2.2 ウィングロー(Wing Low)方式

「ウィングロー」方式は飛行機の一方の翼を低くして、横風に対抗する方法です。
具体的には、方向舵(Rudder)により機軸を滑走路の方向に合わせ(飛行機を滑走路に平行に保つ)、風上の方向へ翼を少し下げて着陸します。

この方式は特に、横風が比較的強くない場合に有効です。

ウィングロー方式は機軸を合わた後の翼の角度調整が必要になり、通常、滑走路に片側の車輪から接地することが一般的です。

2.3 コンバイン方式

「コンバイン」方式は、クラブ方式とウィングロー方式を組み合わせた方法です。

風上に向いた機体を方向舵を使って機軸方向に少し戻し、その分、風に流されないように風上の方向に翼を低くしながら進入する方法です。

この方式は、風が強いときに良く行われます。

横風着陸の操縦方法、具体例

横風があるとき飛行機の機首方向は風の方向と飛行機の進行方向のベクトルで決まります。

下記の画像の場合は右から風が吹いている場合です。

進入中は機首 (方向)が滑走路の方向から見て右に向いています。
その状態のまま着陸をしても良いのですが、パイロットはできるだけ機軸(機首)を滑走路と同じ方向にして着陸するように操作をします。

操作方法はまず左のラダー(方向舵)を踏み、機軸を滑走路に合わせるように操作します。
左のラダーを踏むと飛行機は左に傾き、左に行こうとしますので、左に行かないようにエルロン(翼の補助翼)を右に切り右に傾ける必要があります。

そのまま右に傾けた姿勢のまま着地します。
まず右の車輪が着地、次に左の車輪、最後に前輪が着地すると言うのが正常です。

クロスウィンド
上記は横風着陸の時の典型的な形です。
決して右に傾いて接地したから下手な操縦と言うわけではありません。

強い横風の時には突風が伴う

上記操作を横風の時にしないといけないのですが、強風の時は突風もある事が常です。
風の強弱(突風)があるとスピードが激しく増減します。

またラダーやエルロンも風の強弱によって細かくコントロールしていかなければなりません。
乱気流の中、飛行機の姿勢をコントロールしながらパワーレバーを操作してスピードのコントロールもしなければなりません。

これがなかなか難しいのです。

シミュレーターによる横風着陸の訓練

横風着陸は着陸の難易度を格段に上げるためシュミレーター(模擬飛行訓練装置)による訓練を十分に行っています。
ただシュミレーターでは一定の強さの横風着陸の訓練はできますが、自然の中の急激な風の変化(Gust)は再現しずらい傾向があります。

横風着陸の細かい操作の経験は実機ので取得しなければならないのが現実です。
横風着陸は一番パイロットの技量が出るところでもあります。

横風制限と安全性

各航空機には横風制限が設定されており、これを超える風速では着陸を試みることはできません。

横風制限は、飛行機の設計やエンジンの性能、滑走路の長さなどに基づいて決定されます。

パイロットは、飛行計画時や着陸直前に気象情報を確認し、横風制限を超えていないことを確認した上で着陸に臨みます。

まとめ

風はパイロットに様々な試練を与えますが、それを乗り越えることでパイロットは技術を磨き、より高い飛行の安全を確保することができます。風との戦いは、パイロットにとって重要な腕の見せ所であり、その成功が飛行の安全性をさらに向上させるのです。

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