空港で飛行機が地上走行しているのを何気なく見ていると思いますが、どのように左に曲がったり、右に曲がったりしているかご存知でしょうか?
地上での走行は我々の間ではTaxi(タクシー)と呼んでいます。
Taxi中、飛行機が左右に方向を変えるのは小型機と大型機では方法が違います。
まず旅客機のような大型機ですが、操縦席(機長席)の左側にあるTiller(ティラー)と言う上の写真の丸い柄が着いた棒を操作して旋回します。
前に押せば前輪が右に回って右旋回、手前に引けば左旋回です。
形状や動きのストロークは飛行機によって違いますが、大体同じ機構です。(写真はB747-400です。)
写真のティラーは機長席の物ですが、反対の副操縦士席にも同じものがあり同じ操作できるようになっています。(B737にはこのレバーが機長席にしかありません。)
以下のレバーです。
さらに画面右少し下にラダー(方向舵)が見えますが、これを踏むことによって前輪を左右7度ほど動かして方向を変えることもできます。(これをラダーステアリングと言います。)
ラダーステアリングを使うのは直進しているときにセンターラインに乗るために微調整するくらいでほとんどはティラーを使います。
地上で曲がる場合のもう一つの方法は左右のブレーキの利きを変える事によって行います。
(大型機では方向維持に何らかのトラブルが起きた時以外やりません。)
たとえば右に行きたければ右のブレーキを左より少し強く踏むと言う感じです。
実はセスナのような小型機はティラーのようなものはなく、左右のブレーキ量の差で旋回しています。
ラダーステアリングもある事はありますが微調整用です。
ちなみに勘違いをしている方もいるようですが、車輪には駆動装置は付いていません。
エンジンの推進力のみで進んでいます。
旅客機はよほど重い場合を除いてアイドルパワー(パワーレバーを一番絞った状態)でもゆっくりと前に進んでいきます。
プッシュバック(駐機場から誘導路へ飛行機を押し出す事)した後、Taxiを始める時はパーキングブレーキををはずのみでパワーを上げなくても動き出します。
客席でも静かにゆっくりと進み始めるのがわかると思いますが、動きがゆっくりですので通常はパワーを少し出して加速をします。
また誘導路に上り勾配があるときにパワーを上げます。
ご自分が搭乗した時に上記のようなことを感じながら見ていると面白いですね。